国土交通省は、令和8年(2026年)3月から適用 される 公共工事設計労務単価 を2026年2月17日に公表しました。
公共工事設計労務単価は、国土交通省が毎年実施している「公共事業労務費調査」に基づき、建設労働者の賃金実態を反映して決定されたものです。
この記事では、「設計労務単価とは何か?」という基礎解説から、今回の改定内容、建設業者が押さえておくべきポイントまでわかりやすく解説していきます。
📈 最新改定のポイント(令和8年3月適用)
最新単価の主な内容は次の通りです:
- 全国全職種の単純平均が前年度比4.5%上昇
→ 建設現場の人件費指標が前年より引き上げられました。 - 全国全職種加重平均値が25,834円に到達
→ 初めて 25,000円を超える 単価水準となっています。 - 14年連続での上昇
→ 単価は一貫して上昇傾向にあり、技能労働者の賃金改善が進行しています。 - 労務単価には「必要経費分(事業主負担分)」は含まれない
→ 下請代金にこれら費用を含めない、もしくは下請代金から値引く行為は不当行為として扱われます。
❓ 設計労務単価とは何か?(基礎解説)
「設計労務単価」とは、公共工事の設計積算(予定価格算出)や見積りの基礎となる 労務費の基準値(日額) をいいます。
(私が過去に設計時に工事費用を算定する際には、この設計労務単価を用いて、金額を算定していました)
📌 もう少し詳しく:
- 公共工事を実施する際の 労働者1人あたり1日の標準的な人件費相当額(日額) を示します。
- 国土交通省が毎年「公共事業労務費調査」を実施し、その結果を基に単価が計算され、3月頃に公表されるのが通例です。
- 47都道府県 × 51職種 の分析データを基に単価が設定され、とび工、鉄筋工、電気工など職種ごとに異なる値が適用されます。
📊 設計労務単価の役割
建設増税額・積算・設計労務費の算出では、この単価が根拠となるため、以下のような重要な役割を持っています:
🧾 予定価格の積算基準
公共工事の予定価格を決定するための 積算基準データ として使用されます。
💡 見積精度の向上
単価は実勢の賃金データを反映しているため、見積り精度の確保に役立ちます。
⚖️ 労務費の適正化
単価が毎年引き上げられることで、技能者の賃金改善・適正な契約価格の形成に貢献します。
✍️ 建設会社が押さえておきたいポイント
現場積算や受注活動の際には、以下の点にも注意しましょう:
✅ 「最新単価の適用時期」を確認する
国交省公表の単価一覧は、公表日以降に締結される契約から新単価が適用 されますので、設計積算書や見積書作成前に最新年次の適用範囲を確認しましょう。
✅ 「職種・地域別単価」を必ず用いる
単価は職種・都道府県別になっており、単純平均だけでなく 該当職種×地域値 を使う必要があります。
✅ 見積り時の必要経費分(法定福利費など)は別途計上
国交省の設計労務単価には、事業主負担の法定福利費等は含まれていません。これらの 必要経費は別途積算する ことが適正な価格形成につながります。
改定内容の詳細
設計労務単価は、各職種ごと、都道府県ごとに設定されています。
主要12職種の全国平均値は下図のとおりです。

職種ごと、都道府県ごとの金額は、国土交通省のホームページで、下図のような表で確認することができます。
【国土交通省発表資料】令和8年3月から適用する公共工事設計労務単価について

ちなみに、設計労務単価は、14年連続の上昇しています。

📌 まとめ
最新の「公共工事設計労務単価」は 14年連続で上昇 し、全国全職種平均で 25,834円 を超えました。
これは、建設現場の人件費実勢を反映した結果であり、設計積算や見積制度にとって極めて重要な基礎データとなります。
建設現場の設計・積算担当者や経営者は、 最新単価の動向を押さえることが利益確保・適正積算・賃金改善に直結する ため、毎年の公表情報をチェックし、社内の積算システム・契約ルールに即時反映することが求められます。
設計労務単価の別の活用法として、価格交渉のカードとしても利用することができます。

