経営計画を作っていますか?
なんとなーく、「経営計画」って必要なのかな、と思いつつも、「なぜ計画を作るべきなのか」「計画を作ると何が変わるのか」を十分に理解していないから作っていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。中には、「計画なんて“絵に描いた餅”でしょ」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
実は経営計画をつくると、たくさんのメリットがあるんです。今回は、経営計画を作成する意義を紹介します。
社長が実現したい経営を形にする“ロードマップ”

中小企業の職場でよく耳にする言葉があります。
社長の不満:「従業員は言われたことしかやらない」「自分で考えて動こうとしない」
従業員の不満:「社長はいつも思いつきで動くから振り回される」「方向性がコロコロ変わる」
この声を聞くたびに、両者の間に大きなギャップがあることに気づかされます。
その根本原因は、社長の頭の中にある方向性やイメージが、組織全体で共有されていないことです。
社長の中には、明確なビジョンとして言語化されていないまでも、「こういう会社にしたい」「これからこういう方向に進むべきだ」という感覚的な指針があります。その実現のために「こっちをやったほうがいいか、いや、あっちかもしれない」と、試行錯誤の中で指示が変わることがあります。
例えば、急に「SNS(インスタ)をやろう!」と言い出したかと思えば、「やっぱり別のことをやろう」となるようなイメージです。
しかし、これを見た従業員は、「社長の言っていることがまた変わった」「結局何がやりたいのか分からない」と戸惑い、結果として「分からないから、とりあえず言われたことだけやっておこう」という姿勢になってしまいます。それを見た社長は「うちの従業員は、言われたことしかやらない」と思うわけです。これでは悪循環です。

このギャップを埋めるのが「経営計画」です。
経営計画とは、
- 社長の実現したい姿(理念・ビジョン)
- そのための戦略(方向性)
- 具体的な行動
- 数値目標と計画
を“見える化”して従業員に共有するためのものです。
言い換えれば、社長の頭の中を整理して、社長のやりたい経営を実現するための“地図”を、従業員も読めるように翻訳する作業です。
「会社がどこに向かっているのかわからない」という状態は、社員にとって最大のストレスです。計画を共有することで、組織は劇的に変わります。
これがあるだけで、従業員は「なぜSNSなのか」「なぜ採用を強化するのか」「なぜ設備投資が必要なのか」を理解し、同じ方向を見て進むことができるようになります。

行動が明確になり、社員の主体性が高まる

2つ目の効果は、具体的なアクションが明確になることで、組織が動き出すことです。
うまく機能していない経営計画は、「やるべきことが行動できるまで具体的になっていない」ことが多いです。
計画に書いてあるのが、「営業を強化する」、「人材育成を進める」、「生産効率を高める」、「経費を削減する」といった“抽象的な言葉”だけでは、誰が・いつ・何をすべきかがわかりません。
必要なのは、行動できるレベルまで具体化することです。
例えば、「営業:ターゲット企業20社に訪問、担当A、期限は5月末」(なぜ20社なのかの根拠も必要)、「採用:求人媒体を2つに絞り、9月から募集、担当B」「生産:歩留まり改善のための標準作業書を作成、7月完成、担当C」「マーケ:Instagram運用を週3回投稿、KPIはリーチ数、担当D」などなど。
ここまで明確になると、従業員が自分の役割を理解し、行動に落とし込めるようになります。
また、経営計画は「やらないこと」を決める効果もあります。思いつきや場当たり的な判断が減り、組織全体が一貫した方向に向かえるようになります。
なので、経営計画を作ったら、是非社内で共有しましょう。その際、いつもと違う場所(例えばホテルとか)で行うと、従業員の方にとっても「今までと何か違う」と非日常感を与えることができ、効果的だったりします。
利益率を高める“経営のスピードメーター”
3つ目は、経営計画が「利益率を高めるためのツール」になります。
経営計画を策定して、運用すると、必ず営業利益率が2~3%あがります。営業利益率があがる理由は、スペースの問題もあるので、次回紹介します。
なお、中小企業庁が発表した、「2020年度版小規模企業白書」によると、“経営計画の運用が十分であると評価している企業”では、売上が「大幅増加」もしくは「増加」していると回答した企業が56.4%もいます。
おわりに
経営計画と聞くと、“絵に描いた餅”と思われる方もいらっしゃると思いますが、ちゃんと作ると、
- 社長の想いが明確になり
- やるべきことに自信を持て
- 組織の方向性が共有され
- 従業員が主体的に動き
- 売上が上がり
- 利益率が改善します
新年を迎えたので、ぜひ経営計画を作ってみましょう。作るうえで疑問や「これでいいのかな」という迷いなどがあればお気軽にご連絡ください。

